本の中の言葉は、時に
人生を大きく変える程のパワーがあります。
もう30年以上前の話ですが
妊娠中、専業主婦だった私は
「近所の区立図書館の本を全部読破する!」
くらいの勢いで本を読んでいました。
そして、その時出会った一冊に
俳優でもある大鶴義丹さんが書いた
『シーサイド・バー』という本があります。
主人公は、東京の高校を中退した男の子。
何もすることがないから
南の島で叔父さんが営んでいる海辺のバーを手伝いながら
海を眺めて、のんびり暮らしている。
たぶん、そんな話だったと思います。
このまま海を見ながら、この店でのんびり働けばいいかな
とか考えていた彼ですが
フィリピンから出稼ぎで来ていた
同い年くらいのダンサーの女の子と出会い
こんな内容のことを言われます。
労働というのは、足踏みと同じ。
足を動かしているから、前に進んでいるように感じているけど
実際は、ずっとその場にとどまっているだけで
前に進んでいるわけではない。
でも、若いうちは出来るだけ前に進まなければいけないし
(家族を養うために働く)私と違って
あなたは前に進む選択ができるのだ、と。
そう言われて、主人公の彼は
もう一度、東京に戻って人生をやり直す決心をします。
セリフも、シチュエーションも
もしかしたら全然、記憶違いかもしれないのですが
ルーティーンをこなすだけの(成長しない)働き方は
若いうちにするもんじゃない
そういう意味だったと記憶しています。
そして、その「仕事観」は
強烈に私の中にインストールされました。
これまで何度か、楽な方(労働)に
流されてしまいそうな時もありましたが
その度に
「私はまだ前に進める」
と、自分を奮い立たせてきました。
時には、高く成長しながら
時には、深く専門性を極めながら
新しい世界と学びを求める働き方をしてきた
そんな自分を、私は誇りに思っています。
そして、人生のこの景色を見せてくれた自分に
ここまで私を連れてきてくれた自分に
感謝もしています。
これまでとは比べ物にならないくらい
大きな可能性を前にしているのを感じている今
これからは
もっと軽やかに
もっとゆるやかに
高く、深く、広く、遠くへと
進んでいくつもりです。

